ミュージカルは歌穂ちゃんから始めよう【コラム⑪】

 

とうとうミュージカルについて書く時が来てしまった。

先日YouTubeに悪態をついたが、ミュージカルの動画もだし、特にBABYMETALの動画では相当お世話になっている。本来なら『ありがとーYouTube様』とでも書かなければならなかったのだが、愚痴老人の悲しい性か、ボヤキ癖が出てしまったらしい。

チキショー YouTubeめ!【コラム⑩】

ミュージカルとは、って言うか舞台芸術とは、瞬間芸術である。
毎日毎日の舞台が一回こっきりで成立する、取り返しの効かない時間芸術である。

でも、見逃してしまったいい舞台に触れるには、タイムカプセルを使うか、それを映した映像に頼るしかない。ミュージカル映画ならともかく、舞台で行われる生のミュージカルが観たいのなら、YouTubeは貴重な体験を与えてくれる。

 

さて僕の本職とするところのミュージカルについて書くのに躊躇してきた原因は、僕が舞台芸術学院で30年近くミュージカル科の担任をしていたため、何だか「ミュージカルとは何か?」みたいなことを、偉そうにのたまうんじゃないかと、それを恐れてのことだった。

でも、来たる4月から開講する「とうおん舞台芸術アカデミー」に、僕が講師をする「ミュージカル論」の講座が設置され、そこで十分に僕の欲求は満たされることになり、ここではミュージカルに関するエピソードを披露すればいいと思い、気が楽になった。

 

で、一発目に何を採り上げようか考えたら、やっぱり島田歌穂でしょ!

去年、坊っちゃん劇場で『ガラコンサート』を企画してシルヴィア・グラブと伊東えりという大物を東温市に呼ぶことが出来たのだが、勿論内容は素晴らしかったし、皆さんのおかげで満席になった。それで味をしめて、第二弾としての今年、メインキャストに歌穂ちゃんを呼ぶことに成功したのです。


(※「島田歌穂」HPより)

島田歌穂と言っても「誰、それ?」と言われるかも知れませんが、『レ・ミゼラブル』の初演メンバーであるのみならず、世界選抜というとんでもない企画で、エポニーヌ役として、日本人から唯一彼女が選ばれ、エリザベス女王の前で「On My Own」という曲を歌うという名誉に預かった女優です。

彼女のワンマンコンサートには何度も足を運び、その中で『冬の雨』という島田歌穂作詞の曲を聴いた時の衝撃と言ったらなかった。ミュージカル・ナンバーではないが、今回、それを歌ってくれるよう頼むつもりだ。彼女主演のオリジナル・ミュージカルを何本か演出したけれど、「日本一上手いミュージカル女優」という僕の評価は変わらない。

僕がいずみたくフォーリーズと言う劇団をやめる時、最初に声がかかったのが歌穂ちゃんの事務所の社長で、それから27年になる。

そう言えば、女王陛下の前で歌った「On My Own」がYouTubeで見られる。32年前の映像だが、今年坊っちゃん劇場で生の歌を聴ける方が喜びは大きい筈だ。

(※「島田歌穂」のHPはこちら

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Jin Tadano

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東温市は古い上着をなかなか脱ごうとしないそうだ。でも本物の文化は受け入れるだろう。時代は変わり、新しい風が吹き始めている。若者の間に芽生えたこの風潮をしっかりと受け止め、東温市発信のアートを広めたい。

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