先日、2月9日に東温市滑川地区のお寺「昌禅寺」に建てられていた芝居小屋の解体作業が地元の方々によって行われました。
かつては、「滑川座」が存在し、伊予万歳(滑川万歳)などの稽古や発表が行われていたという、地元のおばあちゃんたちの思い出の場所。秋のお祭りにはたくさんの出店が並び、人々が芝居小屋の前に場所取りをして、賑わっていたそうです。
しかし、現在はすでにこのような形で、建物の原型はほぼ残っていませんでした。
老朽化がはげしく、危険であるため地元の方々により取り壊し作業を行うことに。
この日は、朝から地域の方々が集まり、滑川地区の光明寺の住職さんも来られました。
地域の男手は解体作業を行い、女性の方々は懐かしそうに思い出話をしながら見守っていました。
「ここで芝居してね、私ら踊ったんよ。野崎参りを。傘持ってね~」
と、おばあちゃんが懐かしそうに話してくださいました。
芝居があるときは、下(山を下りたところ)からも人がたくさん来て、みんなでゴザを敷いて場所の奪い合いだったそうです。
当時の写真も残っているそうで、後日見せていただけることになりました。
※崩れる瞬間を少し動画で撮影させていただきました。
本堂とは別に境内に芝居小屋があり、祭りごとで催し物が行われていた場所って他になかなかないのではないでしょうか?
滑川の山に囲まれた環境の中で、きっと楽しいすてきな時間が流れていたんだろうな、と昔を想像しながら撮影させていただきました。
滑川地区「昌禅寺」の芝居小屋
昌禅寺
住所:東温市滑川(県道302号線沿い)
無形文化財「滑川万才」について
(※「川内の文化財」より)
滑川村字弥助成の昌禅寺境内に芝居小屋があって享保年間(1716頃)以後、村の有志が毎年歌舞伎芝居を催していたということである。その後、奥の明河村の海上部落では万才の一座がつくられていたようである。
この滑川万才は、県内各地に伝えられる伊予万才で、滑川万才の名も、山越万才や溝辺万才のように、その伝承地の地名を冠したものである。したがって万才歌も他と同様に「豊年おどり」「柱揃え」「義経千本桜」などの数え歌が殆どで、歌詞も又同様であり、その中に滑川の地名を歌いこんだものがある。
昔は伊予万才も随分と盛んで、昭和13、4年頃までは町内の神社、寺院等の祭礼や縁日などで町筋の小学生たちが踊っていたが、その後は全く見られないくなった。
そのような中にも、滑川万才だけは毎年の秋祭りに踊り継がれて、昭和38年、町の無形文化財となった。
TOONBOX編集部
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